「 2 0 歳 未 満 立 ち 入 り 禁 止 ・ 秘 密 の 花 園 。 」
多田が、インスタントラーメンを二袋も放り込んだ鍋を抱えて、何やら訳の分からない番組に意識を遣っている間、行天はといえば、忙しなくポケットティッシュを一定のリズムで引っこ抜いて、盛大に鼻をかんでいた。
最初はトイレットペーパーをくるくる手に巻きつけて鼻をかんでいたが、紙代も馬鹿にならない、と多田が嫌味を言ってから、すぐに行天が外へ出て行ってしまったので、自分用のトイレットペーパーでも買って来るのかと思いきや、何処かで配っていたポケットティッシュを大量に貰ってきたようだった。
基本的に配るポケットティッシュは一人につき一個なので、馬鹿みたいにうろうろと何往復もして貰ってきたのだろうか。
それとも行天のティッシュに対する熱意と鬱陶しさ負けて全てを投げ出したのか、それは分からなかったが、ポケットティッシュについている広告を見て思わず脱力してしまった。
「…20歳未満立ち入り禁止・秘密の花園」
「え、何?…多田、行きたいの?」
「ばか、よりにもよってこんなものを貰ってくるな。山ほどあるポケットティッシュの分だけこの広告があるじゃないか」
音読した多田に、一端鼻をかむことを止めわざわざ訊いてくる行天。酷い鼻声だ。
苛々しながら「煩い」とだけ言って、その広告を乱暴に丸めてゴミ箱へ投げた。
しかし、その広告、すでに丸められてゴミ屑とも言えるそれは見当違いの方向へと飛んでいき、ひゃひゃ、と笑った行天に多田はまた苛々する羽目になる。
立ち上がり、丸まった広告を拾ってからゴミ箱へ今度はきちんと捨て、床に座り先程から紙の消費に忙しい行天の背中を、ずん、と踏みつけてやった。
「痛い。何するわけ」
「…なんとなくムカついた」
「めちゃめちゃだなぁ」
「お前のその使用済みティッシュとゴミ入れらしきビニール袋が散乱している状態よりは、はるかにマシだと思わないか」
行天の背中を踏んでも苛立ちは治まらず、むしろ増す一方だったが、行天はやけに楽しそうに、元気に鼻をかんでいた。
言い訳(後書き)
最近こじつけが多過ぎて仕方無いですね(照)
むしろ痛みのお題になってない、でも一応ちゃんと踏んでるんですよ多田が。
ほんと後書きとは言えないただの言い訳に…!そしてタイトルで期待された方はごめんなさ…!