バレンタイン。(裏)












さてさて、ピオニーが股間にチョコをたっぷり塗ってディストに詰め寄ったため、当の本人ディストは気絶してしまっていたのだが、

それでもグランコクマの王、ピオニー陛下ともあろう方が早々に諦めるはずもなかった。

気絶したディストを大切そうに抱えて近くのベッドまで運ぶと、何の躊躇いも無く、ピクリとも動かない彼の服を綺麗に全て剥いだ。

ディストが堪え難い現実に直面した時、どうにか逃れようと意識をシャットダウンさせる事も計算のうちだったのだ。

そのお陰でこうしてディストの白くて滑らかな肌を思う存分堪能できている。

が、しかし、いつまでもこれでは話にならない。

「サフィール?」

耳元で愛しい人の名前を呼べば、軽く眉を寄せて唸ったディストが、うっすらと目を開けた。

起き上がろうとし、手が頭の上で一つに括られているのに気付くと、やっと先程の事を思い出したようだ。

ちなみにディストの手を彼の頭の上で一つに括った(ちゃんと可愛くリボン結びにしてある)のは勿論ピオニーである。

暴れられては困るので先程ディストのネクタイで縛っておいたのだが、これはこれで中々そそる格好だ。

恥ずかしそうに目元を赤らめて必死にこちらを睨んでいる姿だけで危うくイきそうになってしまう。

哀しいほどまでに、ピオニーにとってディストは性の対象としては最高なモノなのである。

たちまち白い肌が赤く染まって、むき出しの細い脚が小さく震えた。

「へい、かっ…!!」

「可愛いなぁ…」

「誤魔化さないでくださいっ!!//」

彼としては“可愛い”などと褒められても(ディストは褒められたなどと思ってもいないが)爪の先ほども嬉しくないのだが。

そんなことよりも今の状態をどうかしてくれた方が何倍もありがたい。

そうしてくれれば、キスの一つや二つくれてやる勢いだ。

…ピオニーがそれ以上に何もしないならば。

「サフィール…」

「ぁっ!!ちょ、ちょっと…!!」

うっとりしたような声をだしてピオニーが顔中に口付けを降らす。

目、鼻の頭、頬、余す事無く。チュッチュッと軽快な音を何度かさせ、

そして、最後に少し開いた唇の隙間に舌をねじ込んだ。

こうなると、ディストが抵抗しようにも身体の力が抜けきっているためろくに四肢を動かす事も出来ない。

逃げるように奥へ縮こまっている舌を捕まえられ、擦れ合わしたりちゅくんと音をたてて吸われたり

強引だけれどどこか優しさを感じるような口付けをされ、ゾクゾクと肌が粟立つ。

「ん、ふ…っ」

キスの最中すらもピオニーの器用な手はディストのわき腹を撫でたり、胸の突起を掠めてみたり、

ともかく、ピオニーの愛撫は性急で、だからウブなディストにとって、それは受け止めるだけで精一杯だったりする。

「あっ…、ふ…」

緩く首を振って泣きそうな顔でピオニーを見ても、彼は嬉しそうな表情を見せてうわ言のように「もっと泣かせたい」なんていうものだから、

余計泣きそうになってしまう。

いや、実際ディストは既に泣いてしまっていて、涙も鼻水も一緒くたに流れ出ていた。

ジェイドが見たら思わず眉を寄せてしまうような、そんなぐちゃぐちゃ顔ですらピオニーは愛しそうに唇を寄せ、 その涙か鼻水か分からない液体を舐めとってやっていた。

「サフィール、俺の可愛いサフィール」

「っひ、ぃ…んっ」

逃げるように顔を背けてしまったディストの唇を追って、しつこくキスを繰り返すと

さすがに諦めてしまったらしく、抵抗を見せなくなってくる。

そうなればこっちのものだ。

どこかに口付ける度、ビクリと震える身体を抱きしめ、脚を割り開いて自分の体を強引に割り込ませる。

それから、下肢で先ほどのキスによって半ば勃ちあがりつつあるソレをそっと右手で握ってやれば、ディストが噛みしめた唇を

少しだけ緩めて甘い声を漏らした。

「好きだよ、サフィール」

「も、へい、か…っ!!」

緩慢な手の動きに焦れてピオニーを呼べば、分かった分かったと嬉しそうな声が聞こえて。

すでに先走りをたらして喜んでいるディスト自身を扱きあげながら、敏感な先端を口に含んでやった。

「ひぁ、んっ、うあ、んっ、あ、う…」

そうやってディストが気をとられている隙に、銀のボールに入っているすでに固まりかかっていたチョコを掬うと、白い腹へ擦り付ける。

「陛、下…?」

目を閉じていたディストが、何事かと目を開ければ、自分の腹がすっかり茶色になってしまっていて、ああ、そうだった、陛下の目的は

これだったんだと思い出した。

「それ、やめっ!!」

「約束だろう?お前にもやってやるから」

ニッコリと笑ったピオニーが、勃ちあがっているディストと、すでにたっぷりと塗ってあった自分のソレにも塗りたくった。

押し倒されたまま、ディストは自分のペニスがチョコだらけになっているのを見、泣くのを忘れてポカンとしてしまう。

「今回は奉仕は諦めた。…一緒に擦るか」

どうやらディストにチョコだらけのペニスを舐めさせる事は諦めてくれたらしい。

ほっとしたのもつかの間、強引に上半身を起こされると抱き合うようなかたちにされて勃ちあがったものを一緒に擦りあげられる。

「あ、ひっ、や、やだッ」

「気持ち良いだろ?サフィール。…お前のと擦れて良い…」

にちゃり、とチョコが熱で溶けていやらしい音がする。

「お前も一緒に擦ってくれよ。手、解いてやるから」

妙に掠れた声でねだるように、けれど王様の命令は絶対的で、ディストは涙と鼻水を舐め取られたためにパリパリになった顔を

くしゃりと歪ませた。

随分縛られていたからか、感覚が無かった手を解かれて、逃げようとする前に勃ちあがったモノを握らされる。

あまりにもいやらしい光景に息を飲んだら、「声聴かせてくれよ」なんてふざけたことを言う王様。

気を抜けば声をあげそうになる口を塞ごうにも、両手はしっかりピオニーに捕まって自分とピオニーのナニを扱かされているし

(大体両手はチョコまみれだし)

結局堪えきれずに泣きながらピオニーの名前を呼んだ。

「ぴおに、ピオニー…ッ」

「お前、可愛すぎだろ。…誘ってんのかよ」

何かを堪えるようにピオニーが唸った。

その声は、もうディストには聞こえていなくて、自分で擦るぶん良い所も知り尽くしているから

ピオニーが見ている事すら忘れて淫らに手を動かし続けている。

「っあ…ふ…//」

「もう…限界…?」

ピオニーの問いにガクガクと頷けば、くつりと喉で笑ったピオニーが一際手の動きを早めた。

耳を甘噛され、耳元で繰り返し名前を呼ばれる。

そうして先端に軽く爪をたてられて、短い悲鳴を上げたディストが幾度となく腰を震わせて吐精した。

「ふん、く…」

ハァハァと肩で息を繰り返しながら、皇帝なんて職業のくせに自分よりしっかり筋肉のついたピオニーの胸に凭れかかる。

ピオニーはというと、一枚何百万ガルドするか知れないシーツで、チョコまみれのディストと自分のペニスを拭いていた。

明日メイドになんと言って洗濯させるのか。それを考えただけでクラクラと眩暈がして気が遠くなる。

「ちょっとチョコが残ってるな…」

「誰のせいですか…」

達したばかりのそれをいじられると、反応したくなくても身体が勝手にビクビクと反応してしまう。

それを知ってか知らずか、しつこいくらい弄られて結局再び勃ってしまい、やっと泣き止んでいたが、またグスグスと

すすり泣き始めたディストを、ピオニーは慰めるように何度か背中を撫でて再び布団へ押し倒した。

「あ、も、もうっ!!」

「何言ってんだよ、じゃあココ自分でするのか?さっきみたいに」

ココ、と言いつつしっかり反応してしまっているそこを握ってやれば、余計泣きそうな顔をしてディストが鼻をすすった。

「ホラ、俺が手伝ってやるから」

な?と宥めすかして、ピオニーはディストの髪を撫でる。銀色のサラサラしたそれは指の間をすり抜けるようにして流れ落ちた。

何も言わないでふいっと視線を逸らしたのを肯定と受け取り、握っているだけだった手をそっと上下に動かし始める。

ついでに余ったもう片方の手をディストの唇をなぞりながら、口が緩んだ隙に二本指を突っ込んで口内をまさぐった。

「ぁ、ふ…っ」

飲み下しきれない唾液が口の端を伝って零れ落ちる。

その光景は酷く扇情的で、いやらしかった。

ふと目に付いた、くっきりと浮き出ている鎖骨に口付け、少し強く吸った。

ビクリと震えたディストが、「何ですか」と涙目で聞く。

いやいや、別に。

淡い跡が出来たそこを見て、満足そうに笑ったピオニーが誤魔化すようにディスト自身の先端を軽く爪で引っかいた。

それに見事に騙されたディストは、短く息をつめてピオニーの肩を強く掴んだ。

「ァ、ンンッ…ふ、ずる、いっ…!!」

「ずるくなんかないだろ。こんなに感じてるじゃないか」

「だ、からっ…ずるい、ンッ…///」

脚がヒクッと痙攣し、羞恥の頬を染めてぼろぼろと涙を流しながら、腕をピオニーの首に回してぎゅっと強くしがみ付いてくる。

ああ、もう、ホント可愛い。

心の中で叫んで、ディストの唇に口付けた。

「じゃあ、俺も気持ちよくしてくれるか?」

ぐすんと鼻をすすってから小首を傾げるディストに、おいおい分かんないのかよ、と心の中で突っ込みながら

仕方が無いのでディストの脚を割り開き、下肢で勃ち上がったモノよりもっと奥へと手を伸ばす。

「へい、か…?」

「ピオニー。ちょっと我慢してたら、すぐに気持ちよくなるからな」

「ピオニー…ウ、ン…ッ」

子供のような返事をして、ディストが軽く頷いた。

そんな素直なディストをピオニーは見たことがなくて、これはきっとジェイドにしか見せたことがなかった可愛さなんだろうなと思った。

安心させるようにディストのペニスを緩く扱きながら、ジェイドにすら触れられた事がないだろうそこに、そっと触れてみる。

チラリと上目使いでディストを見てみるけれど、案外ディストの反応は薄く、目を瞑ったままじっと黙り込んでいるだけで。

少し強くディストのペニスを扱けば、先からじわりと透明に近い液体が出てくる。

ピクリと内腿が震えた。

下肢に顔を埋めて、奥で息づくそこを何度も丁寧に舐めあげる。

「ま、って…ぴおに、そこ、どうして舐める…っ」

「気持ちよくないか?」

「そ、れは…っ」

言葉に詰まったのだから、つまり、気持ちがいいのだろう。

皺を伸ばすように何度も何度も、唾液でそこがべちゃべちゃになるくらい舐めてやった。

そして中指をあてがい、徐々に中へ埋めていく。

ディストはなんとも微妙な顔をしたが、指は案外スムーズに入っていった。

「中、気持ち悪いんですけど…」

「そうか?お前の中、すごく熱いな」

「い、言わないで下さいっ!」

泣きそうな声にきゅん、と中が締まる。くつくつと笑うと、それに気づいたディストがグスグスと鼻をならした。

中を探るように動かしながらディストを見る。ディストは眉を寄せて不快感に耐えているらしく、汗で髪が濡れ、それが頬や首筋に張り付いていた。

「どう?」

「ど、うって…気持ち悪いですよ…」

「やっぱり?」

段々萎えてきたディストのペニスに、何処か気持ちいい所があるはずなのにと首を傾げる。

やはり初めてだと勝手がちっとも分からない。

ピオニーは別に男が好きというわけではないから。

ただ、ディストが好きなだけで、他の男とは一切関係を持った事も無いし、欲情したことだって無い。

大体そこらへんの男に手をつけれるほどの時間と余裕を持ち合わせていないのだ。

「やめる?」

「…はい」

コクリと頷いたディストに、がっくりと肩を落としてピオニーが指を抜いた。

その姿に苦笑したディストが、ゆっくり上半身を起き上がらせると、ピオニーの股間でしつこく自己主張しているソレを握る。

「サフィール?」

「誤解しないでください…、別に深い意味はありませんから」

照れたようにそっと目を伏せ、両手を使ってピオニーのペニスを扱く。

自慰すらあまりしないのだろう、ディストの手つきはぎこちないもので、けれど、やってくれているのがディストというだけで十分興奮できた。

ハァ、と熱い息を洩らす。

それが嬉しかったらしい、益々張り切るように手の動きを早くしていった。

「気持ち良い…」

「ん…」

呟くように言ってディストの顎を持ち上げ、褒めるようにキスをする。

目元を赤く染めてキスを受け止めながら、もじ、と両足を動かした。

「…どうした?…お前、俺のを擦りながら興奮したのか?」

「ァ…ち、ちが…っ//」

思わず嬉しげな声が出て、動揺したディストがピオニーから手を離してしまう。

萎えかけていたディスト自身が、緩く勃ち上がりかけていたのだ。

それを隠すように身体を捻じろうとするディストの腕を掴み、素早くペニスを握り締めてやれば、ああ、と声をあげて前屈みになった。

「ホラ、隠すなよ。…一緒にすればいい」

「ん、ふ…っ」

逃げ腰なのを無理矢理抱き寄せ、先ほどと同じようにペニス同士を合わせて擦った。

凄く気持ちがいい。

すでにディストは両手を投げ出して与えられる快感にひっきりなしに声をあげる。

「可愛い、可愛い。俺のサフィール」

「あ、ん、も、ぴお、にー…ッ」

「ああ…俺も…」

片腕でぎゅっと強くディストを抱き、もう片方の手で、激しく自分とディスト自身を扱いた。

「ァ、ァア…ッ、い、く…っ」

「サフィール…ッ」

そうして、結局最後までする事が出来なかったものの、チョコレートで奉仕させるというピオニーの企みは成功し、幕を閉じた。


翌日、ディストが泣きながらシーツをぐちゃぐちゃにまとめてゴミ箱へ突っ込んだのは言うまでもない。