貴方を抱いて彼に抱かれて。




「貴方を抱いて彼に抱かれて。」












「…え?い、いいい、今…何て!?」

「…ですから、受け側ですよ?陛下とセックスする時は」

「ジェ、ジェイドが!?!?!?」

「当り前じゃないですか、他に誰が居るんです」

ピオニー陛下の自室でティータイム中、さも当り前かのように言われたその言葉にサフィールは飛び上がる程驚いた。いや、むしろ実際飛び上がっていた。 ガタンと音をさせて椅子が倒れ、机に置いてあったティーポットがぐらついた事も気づかず「それ本当ですか!?」と目を丸くしてジェイドに詰め寄る。

「本当ですよ。先程から言っているじゃないですか」

「え、ちょ…!へ、陛下ァアアアア!!!!!!」

「あー、なんだ。俺はここに居るから、そんな大声を出さんでも聞こえるって」

先程からジェイドと二人きりの世界に浸っていたサフィールは、同じテーブルについて紅茶を啜りながらブウサギを撫でる ピオニーの存在を全くといっていいほど無視していたので、そこにピオニーが居ると分かれば荒々しくテーブルに両手をついて今度はピオニーに詰め寄った。
そのせいでぐらついたティーポットは今度こそ倒れてしまい、床を紅茶臭くしたのだが、サフィールはそんな事など構っていられないと「本当なんですか!?」と本日何度目かの 台詞を唾が飛び散る勢いでもって問うた。

「本当だぞ。俺とジェイドがセックスする時はジェイドが受け側だ」

「ほら、言ったでしょう。…何をそんなに驚いているんだか」

「だ、だだだ、だって!!だってジェイド!!私がしたいって言った時はいつも私が受け身じゃないですか!!」

紅茶の沁みたカーペットに鼻を擦りつけ、興味津々といった風に匂いを嗅いでいるブウサギを、相変わらずのんびり撫でてやりながらピオニーが倒れたティーポットを起こす。 ジェイドは立ったままのサフィールを見上げ、呆れたような表情で頭を押さえた。

「むしろ貴方相手にどうして私が受け側になるのか、疑問ですよ」

「それ言えてる、ハハッ!」

愉快そうに笑うピオニーに「陛下は黙って下さい!!」といつもの様に一喝することも出来ず、しょんぼりと肩を落としたサフィールを見て、 流石にピオニーも気の毒になったのか、慰めるようにサフィールの肩を叩いて、それから何か思いついたようにニヤリと笑ってジェイドに視線を移した。
どうせまた下らない事でも思いついたのだろう、この雰囲気からすると大体検討はつくけど。と半ば諦めたような溜息を吐いて、それでもジェイドが「何ですか」とピオニーに目を向ける。

「いいことを思いついた」

「…一応聞きます。…何ですか」

「ジェイド、お前、サフィール相手に受け身してみろ」



「はっ!?」

その素っ頓狂な声は、命令されたジェイドでは無く、得意そうに笑うピオニーのものでも無かった。
床の匂いをを一心に嗅ぐブウサギでも無く、カーペットを紅茶臭くしてしまった当人、サフィールのものだったのだ。







「…っあ…、な、中…、熱い…!!」

「…ん、サフィール…」

キングサイズのベッドに仰向けに寝転がったジェイドを押し倒すようにして、サフィールがゆっくりと自身を埋めていく。 悲鳴がかった掠れた声が部屋に響き、ジェイドは苦笑のような表情を浮かべながらサフィールの頬を宥めるように優しく撫でてやる。
それに大袈裟な程身震いしたサフィールが、泣きそうな声で「ジェイド、ジェイド」とジェイドの名前呼んで。 ぎこちなく始まった律動が、段々と激しいそれに変わっていく。

「どうでもいいけど俺も居るんだから忘れるな」

「おや、陛下。すみません、あまりにもサフィールが一生懸命なので」

「ああ、一生懸命なサフィールは可愛いもんな。…なんか俺も興奮してきた」

「二本も同時に入りませんからね、それはやめてください」

「大丈夫、サフィールに入れる」

一糸纏わぬ姿で身体を密着させ必死に腰を押し付けるサフィールの腰を掴んで一端動きを止めさせてからニヤリと笑う。

「え、あれ、へい、か?…え、ちょっと、え、ええっ!?」

恐らく先程のピオニーとジェイドの会話はサフィールの耳に届いていなかったのだろう。
急に背後に重みを感じたサフィールが振り返るが、もう遅い。 前の刺激により緩んでいたそこに無遠慮に指が侵入してくる。
逃げようにも逃げられず、口だけで抵抗していたが、元々サフィールは受け身だ。慣れているそこを刺激されれば快感は倍に膨れ上がり、 口先だけの抵抗すらも出来なくなる。

「く、ん…っ!…あ、ああ…っ」

「慣れてるからな…もう大丈夫じゃないか」

あっと言う間に三本飲み込んだそこに、すでに熱く勃ち上がったピオニーがペニスを押し付けた。
そのまま勢い良く自身を埋めれば、サフィールが悲鳴じみた声を上げ、強くジェイドにしがみ付いて。

「あ、や…っ!!熱い、っん、熱い…っ!!」

「サフィールの中も熱いな。…可愛い、可愛いサフィール」

「陛下、サフィールどうにかして下さいよ、私だけ生殺しですか」

夢中でサフィールの白い背中に口付けるピオニーに、強くしがみ付かれたままのジェイドが非難の声をあげた。
サフィールは強すぎる快感にすっかり戸惑っているらしく、小さな子供のようにジェイドにしがみ付いたままだ。
分かった分かった、とジェイドの訴えを聞きピオニーがゆらゆらと腰を揺らし始める。

そうなると自然にサフィールの身体も揺れ、ジェイドの中にあるサフィールも小刻みに動く仕組みだった。
小さく息を詰めたジェイドがじれったそうに眉を寄せたが、サフィールが急に身体を起こし「出る、出る」と 泣きそうな声で訴えるので「貴方は射精もしたことのない童貞ですか」とサフィールのオーバーなリアクションに仕方なく 呆れたような声色で突っ込んだ。

「っち、が、出る、出ちゃうんです…よぉ…!!」

「あ?何がだ?」

「ふ、ふぇ…っ、でちゃ…っ」

「…ああ、あまりにも強すぎる快感に尿意がこみ上げてきたんですね?
中で漏らさないでくださいね、ほら、早く陛下も抜いて。トイレに行かせてやって下さい。こんな所で漏らされては迷惑ですから」

「ジェ、ジェイドォ…っ!も、漏らす漏らす連呼しないでよぉ…!!」

ぐすぐすと泣き始めたサフィールに、仕方無さそうな表情でピオニーが腰を引く。
きっとジェイドが居なければその場で尿だろうが何だろうがさせただろう。彼はそういう人だ。

そしてジェイドの中からずるりと自身を抜いたサフィールが震える脚でベッドから下りようとすると、 いつの間にかピオニーはティータイムに使っていたティーポットを手にしており、 敏いジェイドはそれで全てを悟ったが、鈍感なサフィールはその場に不似合いなティーポットに「え???」と 鼻水を垂らした間抜けな顔でピオニーを見つめるだけだった。

「ほら、トイレまでは遠いからな。これにしろ」

「な、何言ってるんです、か…!!」

「サフィール、力むと漏れちゃいますよ」

思わず声を荒げかけたサフィールだったが、ジェイドの言う通り少しでも力めば本当に漏れそうな勢いだったので、 ピオニーの差し出すティーポットから逃れるように身体を捻った。
そのせいでピオニーがジェイドに目配せしたことにも気づかず、どうにかその場を脱出しようとジェイドに助けを求めようと 「ジェイド」と名前を呼べば、「ここに居ますよ」と後ろから声がする。

それは当り前だ。だってサフィールはベッドの上にいて、ジェイドだってまだベッドの上なのだから。
しかしながら、サフィールは、ジェイドがジェイドで、ピオニーがピオニーだという事をすっかり忘れてしまっていた。
ピオニーは皇帝陛下で、ジェイドは軍人。ピオニーの命令に、ジェイドが逆らえるはずもない、ということは。

「や、嫌だ!!そんなの嫌です、離してジェイドォオ!!」

「無理ですね。諦めてティーポットの中にしてしまいなさい。漏らすわけではないのですから、いいじゃないですか」

「ほとんど漏らすと一緒ですよ!!嫌だ、ねぇ、ジェイドォっ!!」

油断していた隙に、素早く背後に回ったジェイドがサフィールの動きを封じる。
そして、ピオニーが余裕の笑みでティーポットを片手にじりじりと距離を詰めた。

やめて、と泣きながら首を振るサフィールだったが、生憎この場に泣き落としの効く相手は居ない。
余ったもう片方の手でピオニーがサフィールのペニスを軽く扱く。どうにか堪える事が出来たのは、先端に爪を立てられるまでだった。

「あ、ああ…っ!!」

敏感な先端を親指の爪で軽く引っかかれれば、とうとう我慢していた黄色い色の水がちょろり、と零れる。
ジェイドに後ろから抱えられ、両脚を開かされた状態で排尿する自分の姿にカッと頬が熱くなった。
しかし一端出始めてしまうとそれを止める事など不可能に近い。どうしてこんな嫌がることばかり好んでピオニーはするのだ。

無論ジェイドとピオニーが開放してくれるはずもなく、結局そのままの状態で、なす術も無く流れ出る汚水はピオニーが持ってきたティーポットに受け止められた。
尿を出し切れば、次は白濁した液体がとろとろと溢れ出る。今まで味わったことの無い絶頂感に、声無く背筋を逸らして果てた。

「んー、もう出たか」

「そのようですね」

半ば放心状態になったサフィールをベッドに寝かせ、尿と精液を出し切り静かになったペニスをピオニーがやわやわと揉む。
ピクリ、とサフィールの身体が反応し、噛み締められていた唇が戦慄いた。

「サフィール、私も気持ちよくしてくれるでしょう?」

その声でピオニーの力も借りて身体を起こしたサフィールは、仰向けに寝転んだジェイドの後孔にペニスをあてがい。
それと同時に、ピオニーが後ろで身じろぎする。
ぐぐ、っと力任せに突っ込まれ、その衝撃でサフィールのペニスもジェイドの最奥近くまで到達した。

「あ、そ、んな、急に…っ!!」

ジェイドの眉が顰められた事に気づけば、サフィールが抗議しようと首だけ動かしてピオニーを見るが、途端に口付けられ、文句どころでは無くなってしまう。

「大丈夫だ。ほら、ジェイドを見てみろよ。気持ち良さそうだろ?急に突っ込まれるのが好きなんだ」

促されてジェイドを見れば、眉を顰めたジェイドの頬は赤らみ、随分と呼吸が乱れていて。

「ジェ、ジェイド…!!」

「っん…、サフィー、ル…」

夢中でジェイドの中をかき回し、ピオニーに揺さぶられ。

サフィールが意識を手放すまでその行為は続いた。









「陛下、腰痛いんですけど」

「…私もです」

「え、俺のせい?俺のせいになっちゃうのか??」

「貴方方のせいです。私は今日軍事の会議があるというのに…」

「え、ジェイド?私も関係してるんですか!?ね、ねぇ、ジェイド!?そっち向かないで、ジェイドォ、ゴメンナサァアアイ!!」

「あーもう、泣くなサフィール、軍事会議は明日に延期させてやるから、ジェイドも拗ねるな」

ある日の朝、マルクト9世陛下ピオニーの自室では、特注の大きなキングベットでサフィールを中心にして 幼馴染の三人が遅くまで裸で眠りこけていたそうだ。